診療案内

子どもの矯正(I期治療・小児矯正)

「子どもの矯正」(I期治療・小児矯正)とは、5歳から11歳ぐらいまでの乳歯または永久歯の混合期に行う矯正治療のことです。
主に取り外し可能な矯正装置(床矯正装置)を使用して、永久歯がきれいに生えそろうよう、顎の拡大や上顎と下顎の前後関係の改善(成長誘導)を行います。開咬などの顎の上下的なずれや舌の癖がある場合は、専門スタッフによる筋機能療法(MFT)も行います。治療開始時から永久歯に生え変わるまでの期間、1〜2ヶ月に1回、矯正装置の調整や歯磨き指導などを行います。

大人の矯正(II期治療)

「大人の矯正」とは、主に取り外しができない固定式装置(マルチブラケット装置など)を使用して行う、小学校高学年以上を対象とした永久歯列の矯正治療です。「子供の矯正」から継続する場合は「II期治療」とも呼び、マルチブラケット装置などの固定式装置を用いて、歯列の拡大や個々の歯の移動を行います。治療期間の目安は約24〜30ヶ月間、通院回数は24回〜30回で、ワイヤーの交換や調整を行います。

マウスピース型矯正装置
(インビザライン)

透明のマウスピース型矯正装置(インビザライン)とワイヤーによるマルチブラケット装置との主な違いは、①装置が透明なため、より目立ちにくい。②食事や歯みがきのとき、装置を外せる。③通院が2〜3ヶ月に1度である。の3点です。マルチブラケット装置と違って全ての症例に対応できるわけではありませんが、接客業の方や部活・就職活動で忙しい学生の皆様にとってメリットの大きい治療法ですので、ご希望の方はお気軽にご相談下さい。

マウスピース型矯正装置
(インビザライン)について

当院では、下記の趣旨にご同意・ご協力のもとで、インビザライン治療をさせていただきます。

薬事承認について

インビザラインは、日本国内の医薬品医療機器等法(薬機法)における承認医薬品に該当しない矯正歯科装置であるため、医薬品副作用被害救済制度の対象外となる場合があります。

承認医薬品とは、

  • ・薬事承認されている材料を使用している
  • ・日本の国家試験に合格した歯科医師、または歯科技工士が製作した装置である
  • ・既製品の装置の場合、それが薬事承認されている装置である

といった条件を満たすものです。
インビザラインの設計は歯科医師が行いますが製作は海外で行われ、またカスタムメイドで既製品に該当しないため、薬機法対象外となります。

入手経路について

インビザラインは、米国アライン・テクノロジー社の製品です。
当院はインビザラインを用いた治療システムを、米国アライン・テクノロジー社のグループ会社である「アライン・テクノロジー・ジャパン株式会社」より入手しています。

諸外国における安全性等に係る情報

インビザラインは1998年にFDA(米国食品医薬品局)によって医療機器として認証されました。全世界で800万人以上(2020年現在)の患者様が治療されている方法ですが、重篤な副作用の報告はありません。

デメリットおよび注意点
  1. ①1日20時間以上装着する必要があります。装着時間が短かったり正しく装着できない場合、良好な治療結果が得られない・治療期間が延長するなどの可能性があります。
  2. ②口腔内の状況に応じて、本矯正装置では対応できない場合、または補助矯正器具が必要になる場合があります。
  3. ③約2週間毎に患者様ご自身で新しい装置に交換していただくため、自己管理が重要となります。
  4. ④新しい装置に交換後1~3日ほどは痛みや違和感が出ることがあり、その程度には個人差があります。
  5. ⑤治療後には、後戻りを防ぐために保定装置(リテーナー)の装着が必要です。
  6. ⑥薬機法未承認の矯正歯科装置であり、医薬品副作用被害救済制度の対象外となる場合があります。
  7. ⑦保険適応外の治療となります。

保険で治せる矯正治療

顎変形症や唇顎口蓋裂・6歯以上の先天性部分無歯症など、現在59の疾患が保険適用の対象となっております。これらの疾患を伴う不正咬合の矯正治療は、「歯科矯正診断料算定の施設基準」または「顎口腔機能診断料算定の施設基準」の両方もしくはどちらかを満たしている医療機関になります。

顎変形症

歯列不正が歯の位置の異常だけでなく、骨格性の異常(上顎と下顎の大きさや形態・位置関係の大幅なズレ)を伴っている場合、ワイヤーを用いた通常の矯正治療に加えて外科手術を併用します。この場合は「顎変形症」の病名となり、矯正治療が保険適用となります。

口唇口蓋裂などの先天異常

口唇口蓋裂がある場合、上顎の発育不良や顎裂部の隙間によって、歯の位置がずれることがあります。このような場合、噛み合わせや審美的な顔のバランスを整えるために、矯正治療が必要になってきます。治療を開始する時期は、患者様の歯並びの状態や発育の程度によって様々です。また矯正治療費は、健康保険や自立支援(育成医療)法などの適用もあり、自己負担金が一定額以上免除されます。

筋機能療法(MFT)

歯並びは、口の内外の筋肉バランスによって保たれています。指しゃぶり・口呼吸・舌を出し入れする癖などが原因で歯並びが乱れると、顎の発育や咀嚼・嚥下・発音などに影響を及ぼします。当院では専門のスタッフによるトレーニングを受けることができます。ご自宅でもトレーニングを毎日続けることで舌・唇・顔など口の周りの筋肉を鍛えることができ、舌を正しく使えるようになります。

Faq

矯正治療は何歳ごろから始めたらよいですか?
個人差がありますが、歯並び・骨格・舌癖などで気になることが見つかり次第、ご相談いただくのが理想です。当院では、3〜4歳から早期治療が可能です。
矯正治療期間はどのくらいかかりますか?
個人差がありますが、1〜3年程度が一般的な治療期間です。しかし素材や技術の発展により、より短期間で治療ができるようになってきています。
大人でも矯正治療はできますか?
矯正治療を受けている成人の方はたくさんいらっしゃいます。最近では、中高年の患者様も増えています。
マルチブラケット装置は痛いですか?
初めてワイヤーをつけた後、数日ほど歯が浮くような違和感がありますが、我慢できないような痛みではありません。患者様のご予定に合わせてなるべく痛みが出ないように調整致しますので、ご安心下さい。なお、マウスピース治療による痛みはほとんどありません。
矯正中は普通に食事できますか?
治療の初期段階では矯正装置が変形するのを防ぐため、固いものを食べるのは避けた方が無難です。
食べやすい大きさに切ったり、柔らかくするなど食事にひと工夫加しましょう。
経過とともに慣れてくれば、普通に食事することもできます。
矯正治療の為に歯を抜くことはありますか?
基本的には抜かない治療を心がけていますが、特に凸凹や前突の程度が大きい場合は、歯を抜くこともあります。
矯正治療中に虫歯ができたらどうしますか?
虫歯ができた部分だけ装置を外して、かかりつけの歯科医院で治療をしていただきます。
しかし矯正治療の期間が延びてしまわないためにも、衛生士による徹底したブラッシング指導を行っています。